お茶席でしか持たない数寄屋袋ではもったいない!古来からの伝統技法である絞り染めを施しながらも、洋装にも合うモダンな数寄屋袋です。
< 絞り染め × 柿渋 >
日本には古来より続く染色技法があります。その一つである絞り染めは、糸で布を括り防染することにより、染めない部分で模様を表現する技法です。最も原始的な技法で、古くは正倉院や法隆寺の宝物に見ることができます。抽象的な表現、染め際に生まれるにじみやぼかし、意のままには染まらない面白さ、が多くの人を惹きつけてきました。
また、古くからある日本の伝統的な染料として柿渋があります。柿渋は、まだ青いうちに収穫した渋柿を搾汁し発酵・熟成させたもの。柿渋染めの歴史は古く、平安時代の頃より受け継がれてきました伝統ある染色方法です。侍や山伏(修験道の行者)が身につけていた「柿衣」として利用されていました。その特徴として、防虫・防腐・消臭効果があることが挙げられます。そしてその最大の魅力は、他の草木染めと違い、日光に当てることにより深みのある色合いになることです。柿の渋み(柿タンニン)が空気中で凝固しやすい特性があり、染めるたびに皮膜化し、硬い風合いになるのも特徴です。
< 巻き上げ絞り × 柿渋 >
巻き上げ絞りは、〇、△、▢など閉じた図案を平縫いにして絞ったあと、糸で巻き上げる技法です。巻き上げることによって縫った図案の内側が防染されることになります。
絞り終えた布を柿渋で染め、乾燥し、日光に当てることを何度も繰り返しました。防染された箇所、柿渋に染まりつつも日光には当たらなかった箇所、日光により深みのある色合いへ変化した個所と、色の濃淡を楽しめる作品になりました。
絞り染め特有の布のしぼ(でこぼこ感)は、今回はアイロンで伸ばさず、凹凸の感触を楽しめる数寄屋袋にしました。通常表布に貼る接着芯は、内布へ貼ることにより、しっかりとした仕上がりはそのままにしています。柿渋独特の自然な色合いと、ざっくりとした感触があります。使い込むほど、古くなるほど深みのある色へと経年変化してゆく「育てるファッションアイテム」です。
内布はカラフルに仕立て、モダンな雰囲気に仕立てました。手絞りの柿渋染めによるオールハンドメイドの魅力をお楽しみ下さい。
ipad(ケースなし)・タブレットを収納するケースとして、クラッチバッグ、お道具入れにも。使い方は随に(まにまに)!
シンプルでベーシックなコーディネートがお好きな方に、小物でファッションを楽しみたい方に。着物にも洋服にも合わせることができるアイテムです。ファッションのアクセントにいかがでしょうか。
時間をかけ心を込めて制作しました数寄屋袋は、手仕事の温かみを感じることができる一点物です。日々の暮らしを特別なものにするアイテムとしてご利用頂けますと幸いです。
<詳細>
素材: 綿60%麻40% キャンバス地(表布)、綿85%麻15%(内布)
サイズ: 縦21.5cm、横31.5cm、厚さ3cm
技法/染料: 絞り染め、柿渋(銅媒染)
<取扱い注意>
水濡れ・洗濯はお避け下さい。生地に接着芯を張っています。水に濡れますと、接着芯がゆるみはがれる可能性があります。
綿カス残し(綿の皮が残ったもので黒い点のようなもの)の生成り生地を使用しております。自然の風合いとしてご理解下さい。
布のしぼ(でこぼこ感)は立体加工をしておりません。使っていく内に、また自然の湿度により、しぼが消える可能性がありますのでご了承下さい。